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デイル・ハドンのコミックSCI-FI スペルミュラ
Spermula


本作を単なるゴミと見るか、アートと見るか。
それは貴方次第なのである・・・。



フランス

製作年:1976年

監督:Charles Matton

音楽:José Bartel

キャスト:
Dayle Haddon
Udo Kier
François Dunoyer
Jocelyne Boisseau
Ginette Leclerc
Isabelle Mercanton
Georges Géret
Radiah Frye


 70年代後半、仏製ポルノ作品「マダム・クロード」(Madam Claude 1977年)を引っさげて来日したフランスの人気ポルノ女優デイル・ハドン Dayle Haddon。当時、この作品を配給した富士映画はハドンをシルヴィア・クリステルのポストとして置き大々的に宣伝合戦を展開した。来日したハドンはジュスト・ジャカン Just Jaeckin監督の「O嬢の物語」(1975年 Histoire d'O)に出演することになっていた等の裏話を披露しつつ、日本人記者達に好印象を与えて日本を離れていったのである。しかし、ソフト・ポルノが衰退しつつあった70年代後半において、ハドンは「別冊スクリーン」等の擬似エロ本でシャロン・ケリー等のアクトレス達と同列に扱われていたものだった・・・。

 さて、日本における数々のインタビューの中でハドンは個性派俳優
ウド・キア Udo KierとエロチックなSCI-FI作品に出演していることを述べており、コアなポルノ・マニアはこのハドン主演の「Spermula」に思いを馳せ、密かに日本公開を期待していた。結局、今回紹介するこの「Spermula」が日本で公開されることはなかったのであるが、前述のエロ映画雑誌等で本作のスチルが多数掲載されたこともあり、現在ではユーロ・トラッシュのマニアにおいてたまに話題にあがる作品でもある。

 宇宙を漂流するスペルミュラ(デイル・ハドン)ら女吸血鬼一団のエネルギー源は男性のスペルマであった。そんな彼女達が見つけた獲物が精力旺盛な地球の人間達だった。スペルミュラ達は絶倫の若者達を宇宙船に招待し、乱交パーティを実施する。そして、尺八をしてスペルマを吸い取ってしまうのだった。
 スペミュラ達の地球侵略計画を知った科学者ウェルナー(ウド・キア)はこれに対抗するのだが、当のウェルナー自身がスペルミュラに恋をしてしまったのだから大変だ。
*内容的にはほんとに語ることが無いのでここまで・・・。

 海外においては当時のアダルト・コミックを映画化した作品ということで、比較として’高’のヴァデムの「バーバレラ」と’低’の本作ってな紹介をされている記事をたまに目にする。要するに本作は典型的な似非アート系のユーロ・トラッシュ作品というわけだ。しかし、ゴミはゴミでも、ゴミだけで片付けられる作品ではない。故にこういう作品こそが
ユーロ・トラッシュ European Trashというジャンルの存在意義を標榜しているのだ。
 斑はあるものの本作は妖しいアイデンティティに彩られている。いかにもフレンチかつ高貴な美貌を持つハドンに見とれるのもよし、いつもの変態ウドを確認できるのもよし、アール・ヌーボーを意識したセット演出やチープかつ漫画ちっくなSCI-FI演出を楽しむのもよし。このように本作には観るべきところが多くあるのである。
 ちなみに私が見た本作は英語吹き替えの米国VHS版で、何故かイタリアのプログレ・バンド
’ゴブリン Goblin’の2ndアルバム「Roller」における数曲がサントラとして使われていた。そんな訳で少しばかりパンチの効いたスコアは本作に巧くマッチングしているとは感じられなかった。

2004.10.11 by Lina Romay????